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中央ニュース

2023/11/15

一人親方の働き方診断 促進へ実態調査

 国土交通省は、規制逃れを目的とした一人親方の実態把握に乗り出す。このため11月14日〜12月18日に実態調査を実施する。調査結果を踏まえ、2023年度末にも、働き方自己診断チェックリストの活用を促進するための方策をまとめ、「適正でない一人親方」の目安策定への道筋として示す。目安は24年度以降の策定を予定している。
 実態調査は、従業員を雇用していない個人事業主を含む、全国の一人親方を対象に実施する。建設キャリアアップシステム(CCUS)登録者へのメール送信と、CCUS処遇改善推進協議会の構成団体(建設業4団体、能力評価実施団体、民間発注者団体など)を通じてのウェブアンケートにより、2000件程度の回答数を確保したいとしている。
 調査では、回答者自身の年齢や経験年数、特定企業への専属性、社会保険の加入状況、CCUSの登録の有無、将来的に希望する就業形態、働き方自己診断チェックリストに沿った働き方の実態、国交省に求める取り組みなどを問う。
 国交省は22年4月に、一人親方対策を強化するための『社会保険の加入に関する下請指導ガイドライン』を改定。一人親方の目指すべき姿とともに、一人親方の働き方が適正かどうかを簡易に自己診断できるチェックリストの活用をガイドラインに位置付けた。事業者には、一人親方の働き方の適切性を現場ごとに確認するよう促してきた。
 ただ、ガイドラインの改定以降に、一人親方をよく従事させている建設業許可業者1644社を対象に、チェックリストの活用状況を調べたところ、「ほとんどの工事(8割以上)で活用している」と回答した事業者は全体の7・7%と1割に満たなかった。7割近くがチェックリストを知らなかった。
 そこで国交省は、元請けから下請けへの指導といった観点を含め、チェックリストを周知・活用するための具体的な方策が必要と判断。社会保険への加入を逃れるため、実態が雇用労働者であるにもかかわらず、事業者が技能者を一人親方と偽装して働かせることがないようにする。

提供:建通新聞社