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2023/12/22

上半期のスライド適用率 7.5%の高水準に

 国土交通省の直轄工事でのスライド適用状況をみると、2023年度上半期は、適用件数が速報値で425件に上ることが分かった。上半期の全契約件数5641件に占める割合(適用率)は、22年度の1年間を通した適用率と同水準の7・5%となった。適用率は、参院議員・佐藤信秋事務所が各省庁提出資料を基に作成したデータを踏まえ、建通新聞社で算出した。
 国交省の直轄工事でのスライド条項の適用状況は、20年度が全体スライド33件、単品スライド18件、インフレスライド295件の合計346件(年度内契約件数は1万5176件)、21年度が全体スライド15件、単品スライド28件、インフレスライド178件の合計221件(1万3511件)、22年度が全体スライド33件、単品スライド280件、インフレスライド626件の合計939件(1万2453件)と推移した。
 対して、23年度の上半期は、全体スライド16件、単品スライド63件、インフレスライド346件の合計425件(5641件)となった。
 各年度内の契約件数に占めるスライド条項の適用率は、20年度が2・3%、21年度が1・6%、22年度が7・5%、23年度上半期が7・5%となった。
 この他の省庁では、農水省の工事で、20年度が1990件のうち7件に適用(適用率0・4%)。21年度が1789件中4件(0・2%)、22年度が1581件中67件(4・2%)、23年度上半期が910件中16件(1・8%)に適用した。
 防衛省の工事では、21年度が1317件中3件(0・2%)、22年度が1360件中41件(3・0%)、23年度上半期が957件中11件(1・1%)となった。
 適用率は、国交省が総じて高い傾向にあった。
 スライド条項の適切な運用に関しては、12月に入り、国交省が、適正な下請け契約と代金支払いを建設業界に求める、盆暮れ通達≠、公共・民間発注者や業界団体に通知。資材価格の高騰が続いている現状を踏まえ、元下間または下下間の契約で、スライド条項など、工期内の賃金または物価の変動に適切に対応するよう要請した。
 さらに、自民党の品確議連では、品確法改正に向けたプロジェクトチームを設置。スライド条項を品確法に位置付け、実効性を高めることなどを盛り込んだ品確法改正の骨子案をまとめた。
 スライド条項は、直轄工事と比べ、自治体での運用が不十分な現状がある。国交省は、直轄工事でスライド条項を率先して運用するとともに、自治体に改めて制度を周知している。

提供:建通新聞社