建設産業専門団体連合会(建専連)は8月1日、国土交通省との意見交換会を開き、改正建設業法を活用して技能者の労務費を継続的に確保する方策について話し合った。岩田正吾会長は、労務費を競争の原資としないマインドの浸透を訴え、「発注者を含めて指導してほしい」と国交省に要請。国交省の平田研不動産・建設経済局長は改正法について「現場の武器として使いやすいものとなるよう、周知していく」と応じた。
意見交換では、日本建設躯体工事業団体連合会の大木勇雄会長が、改正法に基づく労務費基準が民間工事でも担保されるよう、強固なチェック体制を整えるよう要望。「地方自治体、民間発注者の理解が大変必要」と訴えた。
国交省の伊藤光一建設業適正取引推進指導室長は、まずは改正法を前提に受発注者の適正な交渉が重要になると発言。建設Gメンの効率的な運用により違反情報を優先的に調査し、必要に応じてさらなる体制確保を検討するとした。
日本塗装工業会の加藤憲利会長は、資材や燃料価格の高騰で積算が実態を反映していないと指摘し、公共工事だけでなく民間工事を含めて最新の取引価格を反映するよう働き掛けを求めた。
神澤直子建設業政策調整官は、公共工事ではスライド条項の運用基準の整備、民間工事では請負代金変更方法の契約書への明記を通じて価格転嫁の環境を整備する考えを述べた。
全国コンクリート圧送事業団体連合会の佐藤隆彦会長は建設キャリアアップシステム(CCUS)と、他の現場管理系サービスとの連携が不十分だとし、「CCUSによる各種システムの統一的な運用」を求めた。
栗山達建設キャリアアップシステム推進官は「CCUSが共通のデータ基盤として機能を発揮できるよう取り組む」と述べた。
日本造園組合連合会の内海一富理事長は、経営事項審査の技術職員区分で、登録基幹技能者を技術職員と同等に評価するよう注文。神澤建設業政策調整官は、技能者育成に取り組む企業を評価する項目を経審に設けていることに触れ、引き続き技能者の地位向上の在り方を検討するとした。
提供:建通新聞社