国土交通省は、2025年度までに全市町村で週休2日工事を1件以上実施する目標の達成に向け、都道府県別の取り組み状況をまとめた。25年度中に管内の全ての地方自治体が週休2日工事を実施し、実施率100%となる見込みなのは19団体。一方で、実施率の見通しが70%未満となっている11団体もある。これらの団体を中心に、国交省は週休2日の働き掛けを強化する。
国交省と全国の都道府県は、24年度下期のブロック監理課長等会議で、全市町村が25年度までに週休2日工事を1件以上実施できるよう申し合わせた。しかし、国交省が都道府県に管内市町村の25年度の実施状況について問い合わせたところ、100%を見込んでいるのは19団体にとどまった。90%以上が7団体、80%以上と70%以上がそれぞれ5団体となった。
70%未満と低調だったのは▽栃木県▽千葉県▽大阪府▽兵庫県▽奈良県▽岡山県▽香川県▽福岡県▽熊本県▽宮崎県▽沖縄県―の11府県。
都道府県へのヒアリングでは、市町村で週休2日工事の実施率が向上しない要因として、補正係数の設定による工事費の増加を挙げる団体が多かった。業界との調整の難しさや、発注者側の体制の不十分さを指摘する意見もあった。
24年度時点では管内市町村の実施率が28・6%と低調だった群馬県は、首長への個別訪問を実施。週休2日工事の要領がなく、運用ノウハウも不足している市町村に対し、要領のひな形の提供や説明資料の作成、問い合わせフォームの設置などの支援を行った。24年末に決定した入札契約適正化指針に週休2日工事の実施に向けた補正経費の計上が明記されたことや、必要に応じて国交大臣・総務大臣が勧告できることも市町村に発信し、25年度に実施率を100%とするめどをつけた。
こうした事例を踏まえ、国交省は都道府県による未実施の市町村への訪問や、首長への直接的な働き掛けを促進。週休2日工事を未経験の市町村の解消を目指す。
一方、都道府県・政令市では、工期全体を通した週休2日だけでなく、月単位で週休2日を確保する工事の実施率も100%となった。ただ、工期中の全ての週で土日に完全閉所する「完全週休2日」については、都道府県の約半数に当たる24団体、政令市の3分の1に当たる7団体しか実施できていない。国交省は、25年度から完全週休2日の補正係数を新設した直轄土木工事を参考に、都道府県・政令市にも同様の取り組みを促す。
提供:建通新聞社