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2025/08/25

道路橋示方書を改定 能登地震受け「復旧性」を向上

 国土交通省は、橋梁や高架橋の設計に用いる技術基準である「道路橋示方書」を8年ぶりに改定した。能登半島地震を踏まえ、被災後の「復旧性」を向上させる対策の規定を充実させた。新しい橋梁形式の提案に対し、適切に性能を評価する仕組みも導入。耐久技術の開発を見据えて、耐久性能の評価方法も明確化する。新たな技術基準は2026年4月1日以降に着手する設計に適用する。
 能登半島地震では、支点部の主桁が損傷したり、橋台背面区間に大きな段差が発生し、通行の確保や復旧に時間を要した。
 そこで、今回の改定では、支承部に障害が生じることを設計時点で想定。復旧性を向上させるための規定を充実させる。支承高の低い支承に交換ししたり、鋼製突起を設けたりすることで段差を抑制する。
 背面の段差対策では、橋梁につながる土工部に「橋梁接続区間」を設定し、橋梁の設計時に背面区間に段差が生じにくくなるような橋台を計画する。
 また、少部材化などにより構造を合理化しても必要な性能を保てるよう、備えるべき機能を評価する枠組みを新たに導入する。近年の研究成果を踏まえ、新設橋のダンパーの適用条件を明確化するなど、規定を充実させる。
 橋梁の設計耐久期間の概念も新たに導入する。設計耐久期間の期間末の「限界の状態」を規定し、限界を迎える前に予防保全対策を促す。

提供:建通新聞社