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2025/10/03

技能者賃金、さらに引上げ 全建会員7割が回答

 全国建設業協会(全建、今井雅則会長)のアンケート調査によると、直近1年間の下請けとの契約で労務単価を引き上げたと回答した会員企業は全体の72・8%となり、前年度の調査と比べ5・9ポイント上昇した。今年2月の石破茂首相との車座対話で申し合わせた「おおむね6%」を超える賃上げを実施した(または実施する)企業は21・7%だった=グラフ参照。
 アンケートでは、都道府県建設業協会の会員企業に対し、7月1日時点の各社の労働環境を聞いた。回答した会員企業は1933社(土木1288社、建築188社、土木建築394社、その他63社)。
 調査結果によると、直近1年間の社員の「基本給のみを引き上げた」と回答した企業は46・6%と全体の半数近くを占めた。「基本給・一時金とも引き上げた」(39・9%)、「一時金のみを引き上げた」(3・6%)を加えると、90・1%が社員の賃金を引き上げたと回答している。
 今回の調査では、今年2月に石破首相と建設業4団体が行った賃上げに関する車座対話で、民間工事を含めて技能者賃金の「おおむね6%の上昇」を目指すと申し合わせたことを受け、会員企業の申し合わせへの対応を聞いた。
 会員企業が直接雇用する技能者の賃金は、会員企業の16・3%で、申し合わせの水準を上回る6%以上を引き上げたと回答。賃金を引き上げたものの、引き上げが6%に満たなかった会員企業は67・4%だった。
 一方、下請け契約で労務単価を引き上げた企業は72・8%に上ったが、「6%を引き上げた(引き上げる)」は21・7%にとどまった。下請けと契約する際の労務単価を今後も引き上げると回答した企業は55・3%と半数を超えた。
 全建など4団体は、24年3月にも岸田文雄前首相と5%を上回る賃上げを申し合わせており、前年度の調査ではこの申し合わせの水準を上回る賃上げを実現した企業は直接雇用の技能者で29・6%、下請けの技能者で34・7%いた。求められた賃上げの水準が上昇したことに伴い、目標を達成できる会員企業の割合が低下した。
 アンケート調査ではこのほか、直接雇用する技能者の賃金の支払い基準を月給制と回答した企業が56・2%となり、前年度よりも3・5ポイント上昇。反対に、日給月給制の企業は30・6%と3・1ポイント低下した。

提供:建通新聞社