厚生労働省は、えるぼし認定、プラチナえるぼし認定を取得している企業のうち、女性の健康支援に取り組む優良な企業を評価する「えるぼしプラス(仮称)」を新設する。認定によって優秀な人材の確保や企業イメージの向上につなげるだけでなく、月経、妊娠・出産、更年期などの女性特有の健康課題に積極的に取り組む企業のインセンティブとする。
えるぼし認定は、女性活躍推進法に基づき、働く女性の活躍推進に取り組む企業を評価する制度で、えるぼし1〜3段階目とプラチナえるぼしの4段階で評価する。認定を受けた企業は政府の公共調達で加点評価されるものの、建設業の9月時点の認定企業数は282社、認定企業全体の8・5%にとどまる。
新たに創設するえるぼしプラスでは、生理休暇や更年期休暇、半日単位・時間単位の年次有給休暇などの導入、女性の健康上の特性への配慮に関する方針の策定と周知、他の労働者の理解醸成に向けた取り組み、相談窓口の設置などの要件を全て満たす企業を認定する。
また、企業が認定を受けやすいよう、えるぼし認定1段階目の認定要件を緩和する。1段階目は、えるぼし認定の中で最も認定要件の基準が低いが、2016年からこれまでに認定された企業は25社(うち、建設業は7社)にとどまる。
えるぼし1段階目に認定されるには、厚労省があらかじめ定めた▽採用▽継続就業▽労働時間等の働き方▽管理職比率▽多様なキャリアコース―の5項目の要件のうち、基準を満たした1〜2項目の実績と、基準を満たしていない3〜4項目の取り組み状況を公表する必要がある。
現行制度では、実績公表の他に、基準を満たしていない項目の実績が2年以上連続で改善していなければならないが、省令を改正し、実績改善の要件を緩和する。全ての項目について、直近事業年度から3年前までの3年間と、直近事業年度の1年前から4年前までの3年間、直近事業年度の2年前から5年前までの3年間の実績平均値を比較し、改善していれば要件を満たすこととする。
えるぼしプラスと、えるぼし1段階目の新たな認定要件を定めた改正省令は、12月下旬に公布し、26年4月1日に施行する。
提供:建通新聞社