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2025/11/18

全国建設業協会地域懇談会・ブロック会議(4) 東北

 東北建設業協会連合会(千葉嘉春会長)と国土交通省が地域建設業を取り巻く課題について意見交換する「東北建設業協会ブロック会議」が10月20日、盛岡市のホテルメトロポリタン盛岡ニューウイングで開かれた。東北6県の建設業協会役員や国土交通省、各県などの幹部職員らが出席。国土強靱化の計画的な推進と社会インフラ整備予算の確保をはじめ、第3次担い手三法を踏まえた適切な運用と適正な利潤の確保などを主要議題として、意見を交わした。
 当日は約150人が出席。岩手県からは、八重樫幸治副知事や城内愛彦県議会議長、上澤和哉県土整備部長、県建設業協会の向井田岳会長をはじめとする正副会長らが出席した。
 千葉会長は冒頭のあいさつで、国土強靱化の重要性などに触れ、「東北の未来を守る最後の砦として、建設業の役割を自覚している。東北は日本の食料庫で、エネルギー基地。東北の発展に貢献するため、危機管理産業として地域の安全・安心を守り続ける。安定的な公共事業予算の確保、中長期的な事業量の確保が重要となる。今後も業界一丸となり、技術と知見の研さんを重ねたい」と述べた。
 来賓の祝辞には、達増拓也知事(八重樫副知事代読)、城内議長、国土交通省の藤田昌邦大臣官房審議官(不動産・建設経済)、小島優大臣官房審議官(技術)、東北地方整備局の西村拓局長、全国建設業協会の今井雅則会長らが登壇した。
 うち八重樫副知事は「東北地方の諸課題の解消へ共に取り組み、経済の活性化などを図りたい。引き続き会員の皆さんのご支援をお願いしたい」、西村局長は「自然災害対策や高速交通ネットワークの機能強化など、東北で実施すべき事業は多くある。必要な予算を確保するとともに、本省と連携して施策を進めたい」と語った。
 2025年度のブロック会議では、開催県を代表し、向井田会長が議長を務めた。同連合会からの提案内容は、「国土強靱化の計画的推進と社会インフラ整備予算の確保」「設計労務単価改定と地域間格差の解消等」「第3次担い手三法を踏まえた適切な運用と適正な利潤の確保」「働き方改革の推進と生産性向上」「頻発化・激甚化する自然災害における施工確保対策の在り方」「地域建設業の担い手確保・育成に関する支援」の6項目。
 同連合会では、国土強靱化の推進や予算確保において、東北地方の治水安全度の大幅な引き上げを図るため、現行規模を大きく上回る事業費を確保するよう要望。インフラ老朽化対策の効果的な実施に向けて、地方自治体に対する技術的・財政的支援の強化なども求めた。
 さらに、現行の防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策を大きく上回る予算・財源を通常予算とは別枠で、各年度において確保することや、次期対策計画期間の初年度となる26年度には、25年度補正予算として速やかに措置するなど、円滑な事業執行のための弾力的な措置を要請した。
 国交省側は、予算確保の要望などに対し、「政府全体の方針を踏まえつつ、必要かつ必要な公共事業予算の確保に努め、国土強靱化を進めていきたい」と回答した。
 県建設業協会の海野尚副会長は、第3次担い手三法を踏まえた適切な運用と適正な利潤の確保において、国側に提言。▽適正な設計・積算▽施工時期の平準化▽小ロット工事等の積算歩掛の見直し▽低入札価格調査基準のさらなる引き上げ▽適切な設計変更▽建設資材や燃料の価格高騰への対応―の視点から要望した。
(地方建設専門紙の会・日刊岩手建設工業新聞社)