トップページお知らせ >中央ニュース

お知らせ

中央ニュース

2025/11/27

無人建機に安全義務、技能要件 厚労省専門家検討会が初会合

 厚生労働省は11月26日、無人運転機械を使用する場合の安全確保に関する専門家検討会の初会合を開き、安全義務や技能要件の検討に着手した。無人運転技術の開発状況や、将来のニーズ、無人運転機械の使用に対する規制を検討する上での論点を、2026年6月までに中間取りまとめとして整理する。26年7月以降、必要な安全義務と技能要件を具体的に検討し、労働安全衛生法(安衛法)の関係法令に反映する。
 機械の遠隔運転や自律運転の技術は、建設業をはじめ、多くの産業で開発が進んでいる。大規模な建設現場では、無人区画を設定した上で、ブルドーザ、油圧ショベルなどの無人運転による施工が試験的に実施されており、災害復旧現場での遠隔運転による導入事例もある。
 建設現場で使用されるタワークレーンや港湾の門型クレーン(RTG)の遠隔運転機械や、無人運転のフォークリフトなどの一部では、実用化が進んでいる。一方、安衛法には無人運転に対する規制がないため、国土交通省が独自に「自動施工における安全ルール」を作成している。
 こうした状況を踏まえ、専門家検討会では、車両系建設機械や車両系荷役運搬機械、クレーンなどの無人運転機械のユーザーとメーカーに対してヒアリングを行い、労働災害防止に必要な措置を検討する。
 ヒアリングでは、他の機械との衝突や周辺作業者への接触防止、運転操作性の確保、停止時・トラブル時の安全確保、運転者(操作者)に求められる技能の確保などの観点から、労働災害防止に必要と考えられる具体的な措置を聞き取る。
 また、無人運転機械の運転制御方式(遠隔操作、自律運転など)や、人と機械の混在状況に応じて規制のレベルが異なるため、各ケースでの措置の内容や水準についても議論する。
 委員からは、無人区画を前提とした措置を検討すべきという意見があった一方、完全な無人区画の設定が現実的に難しい場合もあるため、無人運転機械のメーカーが人とどの程度関わる状況での運転を想定しているのかヒアリングする必要があるとの意見があった。この他に、完全無人運転と一部有人運転に区別して判断基準を設けるべきという意見も挙がった。

提供:建通新聞社