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2025/12/12

建設業法令順守指針に改定案 見積時の法違反事例を整理

 国土交通省は、改正建設業法を踏まえた建設業法令順守ガイドラインの改正案をまとめた。建設工事の見積もりに関する制度の見直しに合わせ、労務費などを内訳明示していない見積書の交付を「望ましくない行為」として整理。「法違反となる恐れのある行為」の例示も拡充し、適切な価格交渉の考え方を示す。
 見積もり条件の提示については、数量・単価や、法定福利費・安全衛生経費といった必要経費の内訳が記載されていないケースを「望ましくない行為」と位置付けた。
 「法違反となる恐れがある行為」には、受注者の適正な見積もりを発注者が尊重せず、通常必要とされる労務費や、材料費を著しく下回るような見積もり変更依頼を行う場合が該当するとした。
 見積もり時は、書面やメールなどで工事内容を示すことが望ましいことも記載。見積もりや見積もり依頼の経緯を事後的に確認できるようにする。
 労務費が通常必要な額を著しく下回っているか判断する際の考え方も整理。地域ごとの適切な処遇に必要な額との乖離(かいり)や、受発注者の協議状況も踏まえて個別に判断するとした。
 ダンピング防止のため、原価割れ契約が受注者側にも禁止されたことに伴う対応も示した。例えば、契約締結後に受注者の責任によらない資機材・労務費などの高騰が生じた場合、原価割れ契約を回避するために発注者に対して契約変更の協議を申し入れることが求められる。
 建設工事標準請負契約約款に新設されたコミットメント条項の留意点もまとめた。建設業者には雇用した技能者への適正な賃金、直接の下請けへの適正な労務費の支払いを誠実に履行することが求められる一方、直接に契約関係のない2次下請けの事業者に対しては元請けの責任が問われるものではないことを明記した。

提供:建通新聞社