国土交通省と総務省、財務省による公共発注者を対象とした入札契約適正化法に基づく実態調査(2025年6月1日時点)に対し、全国の市区町村の3・3%に当たる57団体が最新の公共工事設計労務単価を「適用していない」と回答した。3省が労務単価の適用状況について調査するのは初めて。品確法に基づく発注者の責務を果たしているとは言えないとして、国交省は速やかに最新の単価を適用するよう働き掛ける。
国の省庁や都道府県、政令市は全て、最新の公共工事設計労務単価を採用している。高速道路会社や独立行政法人といった特殊法人では、8団体(6・7%)が最新の単価を適用していなかった。
入札契約適正化法の指針では、予定価格の設定に当たり、最新の実勢価格を反映するよう記載。第3次担い手3法の全面施行に伴い、技能者賃金の原資となる労務費については最新の公共工事設計労務単価をベースに見積もることが法律上も求められるようになった。国交省は古い単価を適用している公共発注者に対し、個別に働き掛けて対応を促していく。
地方自治体による独自歩掛の作成状況についても調べた。都道府県では21団体(44・7%)、政令市では11団体(55・0%)と半数程度を占めた。市区町村も115団体(6・7%)と一部ではあるが、独自に歩掛を作成していた。
大部分の工種は国交省の標準歩掛を活用しているものの、項目単位で個別に歩掛を作成していると見られる。国交省は25年度内に独自歩掛の事例集をまとめる予定で、優良な事例の水平展開を促す。
■歩切り根絶の取り組み継続
前年の入契調査では、全ての地方自治体が廃止を決定したはずの「歩切り」が30団体で実施されていたことも判明した。いずれも、比較的小規模な自治体で、メーカー公表の資材価格に独自の率を乗じる「単価歩切り」も含まれる。
適正な積算金額を一部控除して予定価格とする歩切りは品確法違反に該当するため、国交省は同年7月に追跡調査を実施。改善が進んでいなかった団体には個別ヒアリングを行い、年内に全ての団体で歩切りの是正を改めて確認した。
国交省は再発防止に向けて、今後も歩切りについて入契調査を通じてフォローアップし、働き掛けを強化する考えだ。
提供:建通新聞社