国土交通省は、鉛の溶出により人体への悪影響が懸念される鉛製給水管を除去するため、立ち入り検査を通じた地方自治体への指導強化や、敷設替えに関する手引きを改定することなどを盛り込んだ、今後の対応方針案をまとめた。立ち入り検査は、鉛製給水管の敷設替えを行う予定がない自治体を対象に実施する。
鉛製給水管は、施工性が高いことから1980年代後半まで全国的に使用された。ただ、水に溶けだした鉛が健康被害を及ぼす可能性があることが分かって以降、早期に鉛製給水管の使用をゼロとすることを目指し、敷設替えが進められてきた。ただ、2023年度末時点でも全国で延長約3300`の鉛製給水管が残存しているが実態だ。
国土交通省が23年度に自治体を対象に実施した調査によると、全1288団体のうち35・5%に相当する457団体の給水区域内に、鉛製給水管が残存していることが分かった。この457団体のうち、「敷設替えの計画がない」または「計画策定を検討中」なのは298団体。全体として23・1%は具体的な敷設替えの予定が立っていない状況だ。
こうした状況を改善するため、国交省は鉛製給水管が残存しているにも関わらず、改善の見通しが立っていない298団体に対し、立ち入り検査を実施し、指導を強化する。すでに一部の事業者には立ち入り検査と指導を実施しており、計画の策定などを促している。
適切に敷設替えが進むよう、12年3月にまとめた「鉛製給水管敷設替えに関する手引き」も改定する。敷設替えが進まない要因を分析した上で実施方策を整理することで、水道事業者を技術的に支援する。
鉛製給水管に関しては今後、国交省のホームページで都道府県別の残存状況を公表する予定。
国交省は、28年度までに全ての事業者が敷設替え計画を策定する目標を設定している。
提供:建通新聞社