厚生労働省が開いた労働政策審議会の建設労働専門委員会は1月28日、第11次建設雇用改善計画案を「妥当」として承認した。今後、雇用対策基本問題部会に報告する。前回の委員会で示した素案に対する委員の意見を踏まえ、1年単位の変形労働時間制や建設キャリアアップシステム(CCUS)による処遇改善などの記載箇所を見直した。
計画案には、「屋外の作業が中心となる建設業では、特定の時期に十分な作業時間を確保できず、時間外労働の上限規制の順守が難しい事例が認められる」と追記。猛暑が厳しくなる中で、1年単位の変形労働時間制を適切に活用する必要性を強調した。
日本建設業連合会の若鶴純常務執行役は、「現在の猛暑は5年前と次元が違う。若者離れの一因になっているのではないか。日光に最もさらされ、苦しんでいる技能者に寄り添った施策が必要だ」と述べ、議論の深化を求めた。
CCUSの記載内容も拡充した。技能レベルに応じたレベル別年収として、目標値と標準値を設定し、目標値以上の支払いを推奨するとともに、標準値以下の賃金を支払う事業者は労務費ダンピングの恐れがないか確認することが重要とした。
CCUSのスマホアプリ(建キャリ)と、マイナポータルを経由した「国家資格等情報連携・活用システム」との連携による資格者情報の閲覧を推進すると明記。今後、資格証明の電子化の動向を踏まえ、労働安全衛生法上で資格者証と認めるための条件を検討する。
また、育成就労制度では人材育成の観点から、3年間同一の育成就労実施者の下で実施することが望ましいとした他、女性によるトンネルなど坑道内での作業についても国土交通省と連携することを明記した。
この他、沼田土建の吉田美由紀企画室室長は「今後、若者に選ばれる、外国からも魅力ある業界とするために避けて通れないのがDXだ」と訴え、DXで生まれた価値による雇用改善方策の検討を要望した。
提供:建通新聞社