国土交通省、財務省、総務省の調査に対し、全国の市区町村1721団体(政令市除く)のうち、工事に総合評価落札方式を未導入と回答した市区町村は666団体(25年6月1日時点)となり、前年度の調査よりも3団体増加した。総合評価の対象工事の下限額で見ると、予定価格の「2000万〜5000万円」としている市区町村が最も多くなっている。
品確法では、価格と品質が総合的に優れた調達を目指し、公共工事の発注者に総合評価の導入を求めている。25年6月時点の調査で、総合評価を導入している全国の市区町村は1055団体(試行導入含む)となり、全体の61・3%だが、10年度以降は減少から横ばいで推移している。
総合評価を導入している市区町村でも、対象工事の価格帯には差がある。総合評価を導入していると回答した市区町村のうち、対象工事の下限額を回答していた市区町村493団体を集計したところ、下限額を「予定価格1000万円未満」と広い範囲に設定している市区町村は46団体となり、全体の9・3%だった。
下限額として設定している市区町村が最も多かったのは、「2000万〜5000万円」の159団体。下限額を「1億円以上」とし、大型工事に対象を絞り込んでいる市区町村は62団体だった。
総合評価を制度として導入していても、下限額を大型工事に限定していれば、実際に総合評価を適用する工事は少ない。さらに、下限額を設定せず「工事ごとに適宜選定」と回答した市区町村は538団体に上っており、こうした市区町村も実際の適用件数には差があると見られる。
■落札率は「未導入」が高く
総合評価は、品質と価格を評価し、過度なダンピングを防止するために2000年代に導入が広がったが、そこから20年がたち、各市区町村の平均落札率に導入・未導入で大きな差はない。
25年7月時点の調査結果を見ると、「本格導入」の市区町村の平均落札率の平均値は93・47%、「試行導入」は93・88%であるのに対し、「未導入」は94・43%となっており、未導入の市区町村の平均落札率の方が高い傾向にある。
全ての都道府県・政令市が導入し、定着している総合評価だが、職員の人手不足が進んでいる市区町村にとっては、総合評価の効果が見えにくく、導入に頭打ちの状況が続いている。
提供:建通新聞社