国土交通省と厚生労働省は、建設業の働き方改革に向けて、2025年末に全面施行した改正建設業法や、今年1月1日から段階的に施行している改正労働安全衛生法に則した対応を建設業者に求める通知を発出した。特に改正建設業法では、新たに受注者も著しく短い工期での契約が禁止されたことを周知し、長時間労働の改善へ適正な工期を設定するよう呼び掛けている。
改正建設業法により、「工期の基準」に照らして著しく短い工期での契約が、発注者だけでなく、受注者にも禁止された。また、適正金額・工期による見積書の作成が努力義務とされたことを受け、猛暑日などの不稼働日や時間外労働の上限規制を考慮した工期を確保した見積書作成と契約締結を求めている。
昨年末に改正した建設工事標準請負契約約款に、資材価格高騰や労務の供給不足があった際の工期変更に関する規定が盛り込まれたことを改めて周知。改正建設業法に基づいて設けられた工期変更の協議円滑化ルールを活用し、下請けまで適正な工期を確保するよう要請した。
通知では労働安全衛生法を踏まえ、建設工事を請け負わせる際に「安全で衛生的な作業の遂行を損なう恐れのある条件」を設けないよう配慮を求めた。具体的には、無理な工期・納期の設定や変更、当初予定していなかった条件の事後的な追加などが該当する。
労働者と同じ場所で働く一人親方などの個人事業者についても、改正安衛法で保護対象とされたことを記載。適正工期での契約を求めた。
さらに、昨年の猛暑を踏まえて国交省がまとめた対策パッケージの内容も紹介。受注者が施工の時期や時間帯、作業方法などを柔軟に選べるよう、▽猛暑日を考慮した工期の設定▽新技術の導入▽熱中症対策に要する費用―について支援できるメニューとした。
猛暑での安全・健康確保に必要な工期・経費を適切に計上するため、パッケージの内容を参考とするよう呼び掛けている。
建設業の働き方改革推進施策は、オンラインの特設サイト「はたらきかたススメ」や「建設業従事者の長時間労働改善に向けたポータルサイト」でも閲覧できる。
提供:建通新聞社