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2010/04/05

新たな構造計算書偽装が京都府内で発覚 関与物件119件を調査へ 国交省が発表

 国土交通省は2日、京都府内の建築確認申請で新たな構造計算書の偽装が判明したと発表した。昨年9月の段階で構造計算適合性判定(適判)機関が構造設計者から提出された追加説明書の中に偽装を見つけ、構造設計を担当したミレ建築設計事務所(大阪市)に確認したところ、設計者が偽装を認めたという。国交省もこうした事実を確認し、同事務所が関与した物件119件すべてについて偽装の有無などを調査するよう、関係する特定行政庁に要請した。
 構造計算書偽装が発覚したのは、京都府八幡市に鉄骨造3階建て1300平方bで計画されていた共同住宅。09年8月に提出された建築確認申請の審査過程で、適判機関である日本建築総合試験所が構造計算の適正さを判断するために追加で説明を求めた。これを受けて、翌月に構造設計者が提出した追加説明書の中に偽装が見つかった。結果として、確認申請は不適合となった。
 偽装を認めた設計者は一級建築士だが、構造設計一級建築士資格は持っておらず、提出された設計図書にも構造設計一級建築士の関与はなかった。
 国交省は構造設計者などに事情聴取した特定行政庁の京都府から「偽装に構造設計者以外の第三者からの指示が行われた事実は確認されなかった」「構造設計者は本物件以外に偽装は行っていないと証言している」といった報告を受けているという。
 偽装の事実を確認した国交省は、ミレ建築設計事務所を所管する大阪府に同事務所が関与した物件のリスト作成を要請。今月2日までに提出されたリストによると、関与物件は119件に上る。地域別の内訳は大阪府104件、京都府7件、滋賀県3件、兵庫県2件、奈良県1件、和歌山県1件、岡山県1件で、今後、各特定行政庁が調査に着手することになる。国交省は「ほぼすべての物件がすでに完成しているようだ」と話している。

提供:建通新聞社