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中央ニュース

2010/09/28

50年ごろには「既存インフラの維持・更新が困難」の懸念 国交省の意識調査

 国土交通省は、国土計画に関連する専門家・識者を対象とした「国土の長期展望に関する意識調査」の結果をまとめた。この中で、道路や上下水道といった国土を形成する社会インフラについて、現在の投資状況が続くと仮定した場合、2050年ごろには「既存インフラの維持・更新が困難になり安全性が低下している」と深刻に懸念している人の割合が7割を上回った。「利用されない社会インフラが増加し、放置された状態になる」「予想される災害に対する対策がまだ十分に進んでいない」ことを問題視する回答も6割以上を占めた。
 この調査は日本学術会議や日本建築学会など国土計画に関連する学会会員を対象として7月に実施。ライフスタイル、人口、国際関係、経済・産業、国土基盤、国土利用といった幅広いテーマについて、2050年ごろまでの展望を尋ねた。
 それによると、国土基盤については、現在の投資状況が続いた場合、特に既存インフラの管理が問題になる可能性が高いとの結果が出た。加えて、「都市部と地方部のインフラ整備状況にかなり格差ができる」「インフラの整備・管理を担うべき技術者などの人材が不足する」ことを深刻に受け止める回答も5割以上を占めた。
 国土の新たなフロンティア利用の進展をめぐっては、「かなり進んでいる」「少し進んでいる」を合わせると、「地上高層空間の利用」が73・5%、「大深度地下空間の利用」が70・7%でともに7割を超えた。
 国内の国土基盤の整備や管理について、国内民間企業の参画が進展するかどうかをめぐっては、「かなり(ある程度)進む」が管理・運営部門で83・1%、整備部門で75・2%となった。参画が進むと考えられる施設種別を尋ねたところ、医療施設の割合が45・4%で最も高く、廃棄物処理施設41・5%、公共住宅35・2%、教育施設33・5%、道路31・1%などの順だった。

提供:建通新聞社