トップページお知らせ >中央ニュース

お知らせ

中央ニュース

2011/03/30

直轄事業で低入札価格調査基準価格の算定式見直し 工事は現場管理費の算定割合を引き上げ 調査基準価格2%程度の上昇見込む 国交省

 国土交通省は、直轄の工事と土木コンサルタント業務で低入札調査基準価格を見直す。工事については、現場管理費が官積算比で80%を下回ると、工事成績評定点が平均点未満となる割合が増加することが分かったため、現場管理費の算定割合を70%から80%に引き上げる。これによって、83〜84%だった調査基準価格の最頻値は2%程度上昇する見込み。土木コンサル業務の算定式見直しは新たな積算手法の導入に伴うもの。結果として調査基準価格の最頻値は74〜76%が76〜77%へと高まる。いずれも4月1日以降に入札公告する案件から適用する。
 低入札価格調査基準制度は、一定の基準価格を下回る応札があった場合に入札価格の内訳書などの提出を求め、履行の可否を判断する仕組み。国交省は2008年度と09年度に工事、10年度に調査・設計業務を対象に、いずれも調査基準価格を高める方向で算定式を改定した経緯がある。
 工事の場合、国交省が07年度〜08年度の入札結果や成績評定を分析したところ、現場管理費の官積算比が80%未満になると、工事成績評定点が平均未満となる割合が増加している実態が判明した。このため、調査基準価格の算定式のうち「現場管理費の70%」を「現場管理費の80%」に引き上げ、工事の品質確保を目指すことにした。
 土木コンサル業務の算定式を見直すのは、11年度から新たな積算手法を全面適用するためだ。新たな積算手法では、積算費目構成のうち「技術経費」を各費目に振り替えた上で、業務原価と販管費の区分を明確化した。
 これを受けて、▽直接人件費の100%▽直接経費の100%▽技術経費の60%▽諸経費の60%―としていた現行の算定式を、▽直接人件費の100%▽直接経費の100%▽その他原価の90%▽一般管理費等の30%―に見直す。
 国交省は、改定内容を他省庁や地方公共団体に波及させるため、4月上旬にも持ち回りで中央公共工事契約制度運用連絡協議会(中央公契連)を開き、「低入札価格調査基準価格モデル」を改定する方針。中央公契連モデルは地方公共団体の多くが制度設計の参考としているため、今後、各地で調査基準価格を見直す動きが広がりそうだ。

提供:建通新聞社