トップページお知らせ >中央ニュース

お知らせ

中央ニュース

2011/10/06

建設業の海外展開支援を強化 海外建設市場に関する情報データベース構築など 国交省

 国土交通省は、2012年度から建設業の海外展開支援を強化する。地方・中小建設業向けの取り組みとして、海外建設市場に関する情報データベースの構築や、東南アジア諸国でのビジネスマッチングの場の整備などを想定。海外建設市場でPPPやCM、PMといった業務に参画するための戦略の策定などにも取り組む。12年度予算概算要求に9800万円を計上した。
 アジアを中心とする世界の建設市場は膨大なインフラ需要が見込まれるものの、国内建設業の海外受注実績は07年度の1兆6813億円をピークに伸び悩みが続いている。こうした状況を打開するため、国交省は▽契約・リスク管理の強化▽地方・中小建設業の海外進出支援▽人材の育成、即戦力の確保▽市場戦略の構築―といった施策を講じていくことにした。
 契約・リスク管理の強化に向けては、未然に紛争を防ぐため海外で設置されることが多い「紛争裁定委員会(DAB)」の活用事例を集めた上で、DAB活用の意義や効果を伝えるためのセミナーを開く。また、11年度から実施している「契約管理に関する勉強会」を継続する。
 地方・中小建設業向けの支援策としては、海外建設市場の情報を集約したデータベースの構築を検討する。韓国で運用されている「海外建設総合情報センター」などを参考としながら、データベースに盛り込む情報の内容や情報収集方法、情報提供方法などを固める。また、東南アジア諸国などで現地セミナーを開き、建設会社が保有する技術やノウハウをPRする「ビジネスマッチングの場」を設ける。
 人材の育成に向けては、将来の海外建設プロジェクトを担う若年層を対象とした研修プログラムの構築を進めるほか、現地労働者の活用に向けた就活フォーラムを現地で開催。さらに、海外建設市場でPPPやCM、PMに対応できる人材、経験が不足しているとの認識を踏まえ、こうした新たな事業分野に参画するための戦略づくりにも取り組む。

提供:建通新聞社