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2012/07/18

アスベスト診断士、活用しないで

 中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会(古川和子会長)と、永年アスベスト問題に取り組んできた全国労働安全衛生センターなど4団体は17日、厚生労働省労働安全衛生部を訪れ、建築物の解体作業などに「アスベスト診断士を活用しないようにしてほしい」という、異例の申し入れを行った。
 4団体は、同省が5月9日に出した基発0509第9号「建築物等の解体等の作業で労働者の石綿ばく露防止に関する技術上の指針」を挙げ、この中で、石綿障害予防規則第3条で規定している「石綿に関して一定の知識を有し、的確な判断ができる者」としてアスベスト診断士を評価しているのは問題だと指摘。資格取得に実地研修もなく、3日間の座学と試験の合格だけで資格を付与するのは、英米の同様の資格制度と比較しても不十分だとした。
 また、アスベスト診断士の資格試験を運営している日本アスベスト調査診断協会についても「組織体制などが不明で、全国組織の体を成していない」などと主張。全国的に適切な調査を行えるという根拠が見当たらないまま、調査を行う権限をアスベスト診断士に付与することに疑問を呈し、基発0509第9号を撤回するよう求めた。

提供:建通新聞社