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2012/07/20

全国知事会がグランドデザイン中間報告

 全国知事会は19日に香川県高松市で開いた全国知事会議で、2011年10月に設置された日本のグランドデザイン構想会議(座長・石井正弘岡山県知事)の中間報告を行った。この中で国土政策に関して、国土軸のリダンダンシー(多重性)の確立と防災力強化を提言。日本海側と太平洋側の国土軸複線化、ガスパイプライン網の構築、首都圏の徹底した防災対策などを具体策として挙げた。南海トラフ巨大地震に備え、太平洋側の重要施設の耐震化や津波対策を早急に実施することも訴えた。
 中間報告では、大災害の発生時でも機能する国家をつくるため、国土軸のリダンダンシーの確立と防災力強化による「新たな国土構造の構築」を提唱。成長性の高い日本海側の戦略的位置付けや太平洋側のバックアップの観点に留意し、国土軸を複線化する必要性を指摘した。
 すでに完成している「太平洋ベルト」に加え、「日本海国土軸」や東海から四国・九州へと続く「太平洋新国土軸」などを構築すべきと主張。具体的な施策に、日本海沿岸道路の早期整備と太平洋側への横断軸整備、高速道路のミッシングリンクの解消、リニア中央新幹線と全国新幹線網の早期整備などを挙げた。
 太平洋側でも、南海トラフ巨大地震を想定し、重要施設の耐震化、液状化対策、沿岸部の津波対策、救援ルート確保のための高速道路整備を早急に進めることで「太平洋ベルト」を強化するよう要求。また、首都直下地震が懸念される首都圏においても、重要度に応じて建築物の耐震化を進めるなど、徹底した防災対策を迅速に実施するべきだとした。
 このほか中間報告では、災害発生時の「エネルギーの道」の確保にも言及。首都圏、太平洋側、東北地方をカバーするガスパイプライン網を整備することを政府に求めている。

提供:建通新聞社