トップページお知らせ >中央ニュース

お知らせ

中央ニュース

2012/09/18

「技能者の賃金水準引き上げを」 関東建設青年会議が提言

 関東建設青年会議は、建設技能者の賃金水準を引き上げるべきとする提言をまとめた。長引く建設不況に伴う賃金の低下によって、特に若年層の割合が極端に減少しており、今後発生が懸念される大災害への対応が迅速に行われなくなる恐れがあるとして、公共設計労務単価の上昇が必要と訴えている。
 同会議は、山梨・栃木・群馬・埼玉・茨城・神奈川・千葉の各建設業協会青年部会などで構成。提言は技能労働者へのアンケート調査などを通じて賃金実態を明確化した上で改善策を盛り込んだ。
 それによると、▽建設技能者の希望年収と実際の年収の間には、平均で75万円の開きがある▽建設業男性生産労働者の賃金支給額は402万円で、全産業男性労働者の526万円と比較して124万円の差がある―といった実情を明らかにした。
 こうした状況について提言は、「賃金水準が低いにも関わらず労働時間が多いことは、労働災害の多発を招く恐れがあり、何よりも安全が最優先される工事現場においては、深刻な問題となっている」と指摘。加えて「建設技能者の賃金水準が適正にならない限り、少子化に歯止めがかからず、超高齢化社会では社会保障額の大幅な増大を招き、日本経済全体の落ち込みにつながる」との危機感を表明した。
 その上で、地域の雇用を下支えする建設産業の活性化や働いた者が適切に評価される社会づくりのために、「公共工事設計労務単価の上昇が必要」と強調。さらに、労務費調査で支払い額が減少していたとしても、調査後に十分な検証を行い負のスパイラルに陥らないようにすることを求めた。労務単価の設定に当たり、他産業の生産労働者との賃金比較を考慮する必要性も指摘した。

提供:建通新聞社