国土交通省は、大規模民間建築物の吹き付けアスベストに関する実態調査結果をまとめた。9月16日までに調査報告があった23万3140棟のうち、露出した吹き付けアスベストなどの使用が確認された建築物の数は1万6063棟。対応済み・対応予定を除くと、合わせて4169棟はアスベストが露出した状態が続いている。
調査対象は、1956年から89年までに施工された民間建築物のうち、大規模(おおむね1000平方b)な建築物。吹き付けアスベストとアスベスト含有吹き付けロックウールの状況報告などを自治体に求めた。
それによると、自治体からの報告件数23万3140棟中、露出した吹き付けアスベストなどが確認された建築物の数は1万6063棟。このうち、行政の指導により対策が講じられたものは1万1050棟、対応予定は844棟だった。
こうした実態を受けて国交省は、除去や封じ込め、囲い込みといった対策の実施を所有者に指導するよう自治体に要請する。また、小規模な建築物については、効率的な調査方法などを社会資本整備審議会建築分科会アスベスト対策部会で検討を進めている。
提供:建通新聞社