トップページお知らせ >中央ニュース

お知らせ

中央ニュース

2013/02/26

市区町村の4割がトンネル点検実績なし 国交省

 トンネルを管理する市区町村のうち、中央自動車道・笹子トンネルで事故が発生する以前に本体の点検実績があった市区町村の割合は4割に満たないことが、国土交通省の調べで分かった。点検に当たり、点検要領を活用していない市区町村は8割を超えていた。照明や標識といったトンネル付属物の点検状況も同様の傾向を示した。トンネルの点検・修繕を進める上で、「社会資本整備総合交付金などによる財政支援」「点検マニュアル類の整備」などを国に求める声が多かった。
 調査は、自治体が管理するトンネルの維持管理状況を把握するため、全自治体を対象として実施。2月21日時点の状況を尋ね、99・7%に当たる1783自治体(47都道府県、20政令市、1716市区町村)から回答を得た。
 それによると、トンネル本体を管理している都道府県のうち、95%が笹子トンネル事故以前から点検を実施していた。一方、市区町村は「点検実施」が39%、「トンネル事故を受けて初めて点検を実施」が26%、「点検を実施していない」が35%だった。
 点検を実施する際に用いている点検要領を複数回答で尋ねたところ、都道府県は独自に策定した要領を用いているところが最も多かったのに対し、市区町村は「特に要領を用いていない」が81・9%を占めた。点検部位についても都道府県では76%が「規定している」と回答したが、市区町村では11%にとどまった。
 点検履歴、補修履歴の保存をめぐっては、「残している」が都道府県の76%だったものの、市区町村は20%という水準。トンネル台帳の整備状態は都道府県の92%、市区町村の67%が「残している」と答えた。
 トンネルの点検・修繕を進める上で国に求める支援策としては、都道府県、市区町村ともに「社会資本整備総合交付金などによる財政支援」が最も多く、「点検マニュアル類の整備」「講習会、研修会の実施」「専門家のあっせん、派遣、技術的助言」などが続いた。

提供:建通新聞社