トップページお知らせ >中央ニュース

お知らせ

中央ニュース

2013/05/01

中古住宅の現況検査で指針 国交省

 国土交通省は、中古住宅の品質を検査・調査する「インスペクション」(建物検査)のガイドライン案をまとめた。ガイドラインでは、中古住宅の売買時に補修工事の必要性を把握するために行う「現況検査」の検査方法を目視・計測を中心とした非破壊によるものと定義。検査人について住宅性能評価における現況検査などを経験した建築士と建築施工管理技士の有資格者を目安とすることを求めた。ガイドラインは、意見募集を行った上で5月中に決定する。
 中古住宅は、維持管理や経年劣化の状況が物件ごとに異なるため、売買時の物件の状態を把握するインスペクションサービスのニーズが高まっているが、検査内容は、事業者の技術力や検査基準が事業者ごとに異なっている。ガイドラインの策定には、検査方法や提供サービスの留意事項を定めることで、インスペクションに対する消費者の信頼確保と円滑な普及を図る狙いがある。
 ガイドラインは、中古住宅売買時の建物検査や住宅取得後の維持管理に関する定期検査のために行う現況検査を対象とする。現況検査は、現場で足場を組まずに歩行などの手段で行うものとし、検査項目として▽アリ害▽躯体のひび割れ・欠損▽腐朽・腐食・傾斜▽雨漏り▽給排水管の漏れ・詰まり―などを明示。
 非破壊検査機器(鉄筋探査、ファイバースコープカメラなど)を使用した検査は、追加で費用負担が生じることから、追加で実施することが望ましいとした。
 検査人については▽既存住宅の性能評価の現況検査▽既存住宅売買瑕疵保険における現況検査▽フラット35(中古住宅)に関する適合証明業務▽住宅リフォーム工事の施工―などの実務経験を持つ、建築士か建築施工管理技士が務めることを求めた。消費者が事業者選択の参考とできるよう、検査人の保有資格や実務経験などを情報提供する必要性も指摘している。

提供:建通新聞社