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2013/09/11

標準見積書 一斉活用26日申し合わせ 国交省の社会保険未加入対策

 国土交通省は、元請け・専門工事業団体や発注者などでつくる「社会保険未加入対策推進協議会」を26日に開き、法定福利費を内訳として明示した標準見積書の一斉活用を開始することを申し合わせる。同省は専門工事業団体が提出していた標準見積書の修正を進め、2日までにほぼ全団体で作業を終了。会員企業に対する説明会の開催など、一斉活用に向けた周知を促している。社会保険加入に必要な法定福利費の確保に向けては、日本建設業連合会(日建連)が法定福利費を適正計上した下請け契約を結ぶためのマニュアルを作成したり、専門工事業4団体が標準見積書を先行して活用するなど、標準見積書の一斉活用に向けた環境が整いつつある。
 標準見積書は、技能労働者の保険加入に必要な法定福利費を適正に確保するために、下請け企業が見積書に法定福利費を内訳として明示するためのひな型となるもの。4月の推進協議会ワーキンググループでこの標準見積書を9月から一斉に活用することが決まり、国交省は各専門工事業団体と個別面談などを行って標準見積書の修正作業を進めていた。
 同省によると、2日までに標準見積書を作成する予定の全50団体(複数団体による共同作成あり)のうち、49団体で作業を終了した。このうち28団体についてはホームページへの掲載や郵送、総会での報告などで周知している。また、9団体では会員企業を対象にした説明会も開催している。
 既に、全国鉄筋工事業協会、全国基礎工業協同組合連合会、日本建設大工工事業協会、日本トンネル専門工事業協会の4団体の会員企業の中には、推進協議会の申し合わせを待たず、標準見積書を元請け企業に提出する動きも出始めている。
 元請け側でも、日建連が7月に1次下請けから提出された見積書に基づき、法定福利費を適正に計上して下請け契約を結ぶためのマニュアルを作成。一斉活用を前に、日建連と国交省は修正作業が終わった各団体の標準見積書についての意見交換を行うとしている。
 ただ、国交省と専門工事業団体が進めていた個別面談の中では、団体側から「ゼネコントップは一斉活用に理解を示していても、現場担当者や地場ゼネコンの理解が進んでいない」「標準見積書を活用しても結局は指し値になるのではないか」「従来の元下関係から、標準見積書の活用を言い出しにくい」など、一斉活用に関する懸念の声も聞かれたという。
 国交省では、元請け・下請け企業に対し、標準見積書の活用状況をアンケート形式で調査するなど、推進協議会が開かれる26日以降もフォローアップを続けるとしている。

提供:建通新聞社