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2013/09/11

国土強靭化へ「施策分野別の対応方針」 秋以降に政策大綱策定


 政府は10日、有識者で構成する「ナショナル・レジリエンス(防災・減災)懇談会」を開き、国土強靭(きょうじん)化に向けた施策分野別の対応方針を示した。例えば「産業構造」分野の災害対応力の強化策としては、高圧ガス設備の耐震基準見直しや耐震性確保策・津波対策の検討、コンビナート港湾施設の耐震強化の推進などを挙げた。今後はこの対応方針をもとに、基本的な方針となる「国土強靭化政策大綱(仮称)」を今秋以降に策定する。
 対応方針は、5月に「国土強靭化(ナショナル・レジリエンス(防災・減災))推進に向けた当面の対応」で示した12の施策分野について、現在の課題、中長期的な施策や関連する計画などを踏まえて、内閣官房国土強靭化推進室と関係府省庁で検討し、とりまとめた。
 インフラ関連をみると、「交通・物流」分野では、交通インフラの耐震性向上と代替性強化を掲げ、空港施設の耐震化、港湾施設の耐震・耐津波性能の強化と関連技術開発、基幹的広域防災拠点の整備、コンビナート港湾の強靭化などを挙げた。また、新規構造材料の開発や構造部材の信頼性評価技術、点検・診断技術、補修技術などの研究開発により、社会インフラの耐震化・長寿命化を推進するとしている。
 「住宅・都市施設」分野では、密集市街地の大規模火災対策、住宅・建築物・学校などの耐震化促進、上下水道の耐災害性の強化などを挙げた。国公立の学校は、屋内運動場のつり天井など非構造部材を含めた耐震化について2015年度までの完了を目指すとした。
 懇談会の委員からは「教育という視点が抜けている」「密集市街地対策はまちづくりと一体となって考えるべき」「いかに(所管府省の)垣根を乗り越えて取り組んでいけるかが重要だ」「課題と対応方針だけでは、成長戦略の視点が弱い」などの指摘があった。
 今後は、専門分野ごとに懇談会の各委員から個別に意見を聴取し「国土強靭化政策大綱(仮称)」の素案を作成。次回の懇談会での議論を踏まえて大綱案をまとめる。

提供:建通新聞社