トップページお知らせ >中央ニュース

お知らせ

中央ニュース

2014/02/26

設計プロセスの改善など三つの視点で対応策提言 国立大学施設設計検討会

 文部科学省の有識者会議「国立大学等施設の設計に関する検討会」が24日に開かれ、老朽化や施設利用の非効率といった国立大学などが抱える課題について、今後の対応の在り方を報告書にまとめた。@教育空間の最適化A施設水準の向上B設計プロセスの改善―の三つの視点を基本的な考え方とし、長寿命化や省エネルギー化など環境配慮型施設への転換と、ライフサイクルコストを最適化することが重要であると指摘した。
 報告書で挙げた課題によると、国立大学などの施設の保有面積は、2013年5月現在で合計2765万平方b。そのうち改善が必要な老朽施設は約3割の893万平方bを占め、耐震補強などが実施されていない施設が依然として残っているほか、天井や外装、庇(ひさし)など非構造部材も経年劣化が進んでいるという。
 施設の利用面では、レイアウトや利用・方法の変更が行えないなど、フレキシビリティに欠けた構造計画と施設の陳腐化により、効率的な利用ができない施設が存在。実験研究上求められる防音や防振などの機能の不備で実験精度に影響を及ぼす事例なども発生している。また、施設マネジメントの面では、使用していない実験設備や倉庫、使用予定ない部屋があるなど非効率なケースもみられるという。
 これらの課題を踏まえて、今後の国立大学施設の在り方として▽機動的可変性の確保▽環境配慮施設への転換―などを提案するとともに、施設の企画立案から基本計画づくり、基本設計、実施設計、施工の進め方と施設の運用・マネジメント方法について具体的に提示している。
 例えば、設備計画では、改修・更新・メンテナンスのためのスペースや、変更に対応するための増設スペース、配管などのルートを確保することが重要と指摘。省エネルギー・省資源の面からは、外壁や窓の高断熱化、庇や落葉樹などを活用した日射遮へい、BEMS(ビルディング&エネルギー・マネジメントシステム)の導入―などの方策を示した。
 このほか国に対しては、参考となるチェックリストの策定・提供などの取り組み、支援を求めた。

提供:建通新聞社