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2014/03/09

人口減少にコンパクト化で対応 国土のグランドデザイン骨子試案 国交省 

 国土交通省は、2050年を視野に入れた中長期の国土ビジョンとなる「新たな国土のグランドデザイン」の骨子(試案)をまとめた。人口減少と高齢化が急激に進む中でサービス水準と成長を維持するため、インフラのコンパクトな拠点形成とネットワーク化を図るとともに、既存インフラの統廃合、機能連携・転換などを進める。国土を守る担い手では、技能労働者の地位向上を進め、人材確保・育成や技能・技術の伝承を進めるとしたほか、外国人労働者を活用する方針も明記した。
 試案では、新しい国土の姿を表すキーワードに「多様性」「集積」「連携」を挙げ、今後、世界に先駆けて人口減少や高齢化などの課題を解決する「課題解決先進国」を目指すとした。
 具体的な施策を推進する上では、財政制約を考慮し、一律に施策を実施するのではなく「新しい選択と集中」の視点を加える。限られた財政で効率的・効果的に行政サービスを提供するため、高齢者が徒歩で行ける範囲内に拠点を集約。中心部の未利用地や空家を活用し、周辺部の居住も集約化できるよう誘導する。
津波危険地域にある住居や公共施設を内陸部に移転させるなど、災害に強い国土づくりとコンパクト化を一体的に進める。
 拠点間の移動に伴う時間とコストを大幅に低減するネットワーク化も進め、距離の制約も克服する。リニア中央新幹線の開通で東京・大阪・名古屋を結び、中間駅の拠点性を向上させる。
 20年後の推計が最大5兆5000億円に上る既存インフラの維持管理・更新を着実に進めるとともに、人口減少社会に対応する観点で統廃合、機能連携・転換、用途変更を図って有効活用する。
 国土を守る担い手については、技能労働者の地位を向上させる施策を講じ、建設産業への入職促進や人材育成、技能・技術の伝承を図ると記載。担い手に外国人労働者を活用する方針も示した。
 グランドデザインは、人口減少社会の到来、巨大災害の切迫などに対応するため、2020年の東京五輪を通過点に、2050年までの中長期の国土ビジョンとしてまとめる。昨年10月に発足した有識者懇談会で策定作業を進めている。国交省はグランドデザインの骨子を3月末、グランドデザインを6月にまとめるとしている。

提供:建通新聞社