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2014/03/20

国土のグランドデザイン骨子案 基本理念に多様性と強靭性 国交省

 国土交通省は、2050年までの長期的視点で国土づくりの理念を示す「新たな国土のグランドデザイン」の骨子案をまとめた。2050年に約6割の地域で人口が半数以下になるなど、人口の地域的遍在が加速する中で、多様性、相互接続性、強靭(きょうじん)性を国土政策の理念として提唱。拠点集積とネットワーク化、災害リスクを踏まえた対策の重点化に加え、建設生産工程における技術革新を図る必要性などを示した。
 国交省は骨子案をまとめるに当たり、2010年と2050年の人口分布を比較したところ、人口が半分以下になる地域が現在の居住地域の6割以上を占めるとの結果が出た。さらに、居住者ゼロになる「無居住」の地域も2割に上るとされた。
 人口の地域的遍在に加え、巨大災害発生の懸念、インフラの老朽化、技術革新などの時代背景を踏まえ、骨子案では、2050年の目指すべき国土の姿に、重層的な拠点とネットワークによる多様な集積、集積の相互連携、東京一極集中からの脱却などを挙げた。
 目指すべき姿を実現する具体的推進方策としては、大都市圏域の国際的ビジネス拠点化と地方都市圏域のインフラ再構築、リニア中央新幹線開通を軸とする総合交通体系の確立、災害リスクを踏まえた対策の重点化や内陸発展型国土への転換などを提言した。
 建設生産性の向上を実現するため、設計・施工・管理に至る一連の技術革新を進めるとし、3次元モデルを活用した「建設現場の工場化」を進める必要性にも言及した。建設産業を「地域の守り手」と位置付け、職人の処遇改善と地位向上による人材確保・育成、技能・技術の伝承を図る方針も示した。
 国交省は、有識者らの意見を反映させて3月中に骨子、6月にもグランドデザインをまとめるとしている。

提供:建通新聞社