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2014/07/29

建設業の退職自衛官積極雇用を要請

 国土交通省と防衛省は28日、建設業における退職自衛官の積極的な雇用を要請する通知を建設業102団体に送付した。毎年約8000人が退職する自衛官は、建設系重機の免許などの有資格者が多く、人手不足が顕在化している建設業の即戦力として期待できると判断。建設企業に対し、自衛隊地方協力本部や自衛隊援護協会などが開催する合同企業説明会に参加するなど、退職自衛官を積極的に雇用するよう求めている。
 自衛隊は、50代半ばで退職する若年定年制と20代で退職する任期制を採用しており、毎年、定年退職者6000人(53〜55歳)、任期満了退職者2000人(20歳台)の合計8000人が退職する。
 自衛官は▽クレーン運転技能者▽フォークリフト運転者▽玉掛技能者▽足場の組立て等作業主任者▽型枠支保工の組立等作業主任者―など、年間延べ3000人程度が建設系の資格・免許を取得しているが、建設業に再就職する退職自衛官は年間数百人程度にとどまっているという。
 このため、離職した技能労働者らと同様に即戦力として建設業で活躍できる退職自衛官を雇用してもらい、全国的に顕在化している技能労働者不足の解消を図ってもらう。
 退職自衛官の再就職は、自衛隊地方協力本部や自衛隊援護協会が開く合同企業説明会などであっせんするケースが多いため、この説明会に建設企業が参加し、退職自衛官を積極的に雇用することを通知では呼び掛けた。自衛隊援護協会に個別企業が求人票を出せば、建設業への再就職を希望する退職自衛官とのマッチングも行ってくれるという。
 また、今回の通知では、予備自衛官や即応予備自衛官として、雇用した退職自衛官を年間数日間の訓練に従事させることに理解も求めた。年間30日間の訓練に従事する即応予備自衛官については、月額4万2500円を雇用企業に給付する制度もある。
 防衛省はこの通知に先立ち、2006年の防衛施設庁談合に関与したゼネコン各社など約60社に対する退職自衛官の再就職自粛措置を解除した。予備自衛官・即応予備自衛官を雇用する企業に対しては、同省発注工事の総合評価方式で加点措置を講じることも検討しており、人手不足に悩む建設業への自衛官の再就職を後押しする方針だ。

提供:建通新聞社