太田昭宏国土交通相は29日の閣議後会見で、広島市で起きた土砂災害を受け、土砂災害防止法の改正作業に着手したことを明らかにした。基礎調査が終了した時点での危険箇所公表を義務付ける方向で改正法案をまとめる。秋の臨時国会への法案提出、成立を目指す。
土砂災害防止法では、都道府県が基礎調査を行って土砂災害危険箇所を明らかにし、土砂災害警戒区域や土砂災害特別警戒区域に指定することになっている。ただ、危険箇所の公表や区域指定による地価下落を嫌い、住民合意が得られないケースが多い。
太田国交相は、基礎調査が終了した段階で危険箇所を公表することにより「ここは区域指定しなくてはならいという後押しになる」と住民意識の変化を促す効果を期待。また、法改正では、市町村が避難勧告を発令する際、都道府県からの警戒情報の提供を義務付ける方針も示した。
提供:建通新聞社