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2014/11/24

営繕工事の共通費 被災地で実態調査 

 国土交通省は、営繕工事の工事費積算に使う「共通費」(共通仮設費、現場管理費)について、東日本大震災の被災地を対象とする実態調査を行う。共通費の積算基準が被災地の現場実態と乖離(かいり)しているとの指摘を受け、まず、被災3県と市町村の発注工事で実態を把握する。調査結果しだいで、共通費を算出する際に使用する経費率に反映するといった措置を講じる。
 営繕工事の工事価格は、直接工事費、共通費(共通仮設費、現場管理費)、一般管理費等で構成。このうち、共通仮設費には▽準備費(敷地測量、仮設用借地料など)▽仮設建物費▽工事施設費(仮囲い、工事用道路など)▽環境安全費―など、現場管理費には▽労務管理費▽保険料▽従業員給料手当―などを盛り込む。
 共通費の算定は、必要となる費用を積み上げで算定するが、工事内容・施工条件に応じて変動する費用は、過去の実績などに基づき積算基準で規定する経費率を乗じて算定する。例えば、共通仮設費の現場事務所や揚重機械器具などの費用は共通仮設費率に含まれているため、個々の費用の積み上げはしない。
 ただ、被災地の建設業団体などは、共通費の積算が実態に合わないなどとして国交省に改善を要望。これを受け、国交省は、現場実態に合った共通仮設費の積み上げなどを行う「営繕積算方式」の導入を被災地の地方自治体に呼び掛けるといった対応を講じている。
 さらに、被災地で完成した工事の共通費の実態を調査し、調査結果を積算基準にも反映させる。調査対象は、被災3県(岩手県、宮城県、福島県)と3県の全市町村で、各自治体30件程度の工事を抽出し、共通仮設費と現場管理費の実態を把握する。震災後に発注され、すでに完了した工事の受注者に協力してもらい、積算上の共通費と実際の現場の経費の差を検証する。

提供:建通新聞社