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2015/02/20

土木学会が5カ年計画 重点課題は10項目

 土木学会(磯部雅彦会長)は、2015〜19年度の5カ年で、大規模自然災害に対して安心・安全な生活が確保できる国土基盤の創出、インフラの戦略的な維持管理・更新、東京オリンピック・パラリンピックを契機とした都市構造の再構築などの課題解決に取り組む。このほど策定した「JSCE2015」で、今後20〜30年を見据えた中期重点目標と今後5年間の重点課題を示した。
 「JSCE20XX」は5年ごとに策定される土木学会の活動目標と行動計画で、1998年から続くシリーズの第4版となる。今回は「あらゆる境界をひらき、市民生活の質向上を目指す」という副題を設定。同学会の顧客≠フ定義をこれまでの「会員」から「市民」に転換した。市民に対する技術・社会サービスの提供を目指す。
 中期重点目標として▽安全で安心して生活できる持続性のある国土再編成への提言▽世界各国が安定的に発展できる国土形成への提言▽公正な立場からの専門的知見の発信▽社会インフラ技術者の育成と社会的認知の啓発―の4点を掲げた。
 この目標を達成するために求められる重点課題として、@震災からの復興と防災・減災のための基盤(ハード・ソフト)構築A福島第一原子力発電所事故対策のための土木技術の集約Bインフラの機能維持・改善・新機能付加と次世代負担の低減・分担システムの構築C地球規模の課題への対応D大規模イベントとインフラ・空間整備への緊急対応E次世代技術者の育成と活用F国際的技術価値移転の推進G価値ある情報発信と情報収集機能の構築と運用H他機関・他分野との連携I学会内活動の有機的結合とその評価―の10項目を挙げた。特に@〜Dについては、緊急性があると認識しており、優先的に取り組んでいくとしている。
 磯部会長は19日の記者会見で、JSCE2015について「100周年を契機に策定した『社会と土木の100年ビジョン』を具体化するための第一歩」と説明。「市民のために貢献する覚悟で取り組む」と決意を示した。

提供:建通新聞社