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2016/03/02

段階選抜の適用拡大へ 審査期間短縮を検討 

 国土交通省は、1日に開いた「総合評価方式の活用・改善等による品質確保に関する懇談会」で、総合評価方式の技術提案に関わる発注者と競争参加者の負担軽減に向け、段階的選抜方式の適用を直轄工事で拡大する考えを示した。同方式の1次審査で絞り込む競争参加者は10者程度とするケースが多いが、工事内容などに応じて1次審査で絞り込む参加者数を減らし、審査期間の短縮につなげる方向性も示した。
 段階的選抜方式は、同種工事の実績や簡易な技術提案による1次審査で競争参加者を絞り込み、詳細な技術提案とヒアリングによる2次審査で契約の相手方を選定する仕組み。発注者と競争参加者の技術提案作成・審査の負担軽減を図る目的で導入している。
 2012年度以降の累計で、直轄工事82件に適用されており、内訳は、施工能力評価型T型で15件、技術提案評価型S型で67件。高知談合を受け、13年度以降は施工能力評価型で当面実施しない方針が示されたこともあり、適用が進んでいない面もある。
 国交省は1日の懇談会で、段階的選抜方式について受発注者から指摘されている▽1次審査の選抜者が固定される▽審査期間が長い▽不調・不落のリスクが高まる▽参加者数によって1次審査を行う方が事務負担が大きくなる―といった課題の検証結果を報告。
 検証結果によると、不調・不落は段階的選抜方式では発生しておらず、選抜者が固定される顕著な傾向も見られていないという。参加者数が少ない場合、2段階で行う同方式の方が事務負担が重くなるとの指摘に対しては、一般土木のWTO案件では平均15者の参加者があり、絞り込みによる事務負担の軽減効果はあるとの認識を示した。
 一方、2段階で審査を行うため、審査期間は必然的に通常よりも長くなる。ただ、背景には1次審査で絞り込む参加者を10者に設定するケースが多いことがある。
 総合評価方式の運用ガイドラインでは、1次審査で絞り込む参加者数を「5〜10者」とするよう求めている。これまでの実績でみても1次審査の順位が5位以内の企業が落札する割合が74・1%を占めているため、国交省は工種・工事内容に応じ、1次審査で絞り込む参加者を10者以下に設定することで、審査期間の短縮につなげることを検討するとしている。

提供:建通新聞社