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2017/09/08

建設業のメンタルヘルス、約半数が未実施

 厚生労働省は、2016年度労働安全衛生調査(実態調査)の結果をまとめた。建設業は全体の75・6%がリスクアセスメントを実施しており、そのうち92・7%がアセスの結果を「活用している」と答えた。メンタルヘルス対策は全体の51%の企業が「取り組んでいる」と回答した一方で、45・5%の企業が「取り組んでいない」と答えた。熱中症予防対策には86・8%が「取り組んでいる」と回答したが、3・6%が「取り組んでいない」と答えた。
 建設業がリスクマネジメントを実施している事項で最も多かったのは、「熱中症予防に着目した暑い場所での作業に関する事項」の92・1%。次いで「高所からの墜落・転落に関する事項」が87・9%、「作業に用いる化学物資質の危険性・有害性に関する事項」が84・1%で続いた。
 「リスクマネジメントを実施していない」と答えた建設業者にその理由を尋ねたところ「危険な機械や有害な化学物質などを使用していないため」という回答が38・1%、「十分な知識を持った人材がいないため」と答えた企業が34・8%あった。
 メンタルヘルス対策は、約半数の建設業が「メンタルヘルス対策に取り組んでいる」と回答。具体的な取り組みにについては「調査票を用いた労働者のストレスチェック」と回答した企業が47・6%と最も多く、「健康診断後の保健指導」45・5%、「メンタルヘルス対策に関する労働者への教育研修・情報提供」41・6%がこれに続いた。
 熱中症予防対策の取り組みで最も多かったのは「労働者に対する教育」の82・1%で、「作業中の巡視」69%、「涼しい休憩場所の確保等」65・3%などとなっている。
 労働者の健康に影響を与えるおそれのある「鉛業務」「有機溶剤業務」「特定化学物質を製造し、または取り扱う業務」「石綿等を取り扱う業務」「放射線業務」「粉じん作業」―などの有害業務があると答えた建設業の割合は15・9%。有害業務の種類では「粉じん作業」が9・7%で最も多く、「有機溶剤業務」が6・8%、「石綿等を取り扱う業務」が2・9%。
 この調査は、事業所が行っている安全衛生管理、労働災害防止活動、安全衛生教育の実施状況などの実態や、労働者の不安・ストレスなどの実態について把握し、労働安全衛生行政の基礎資料とすることを目的に実施している。16年度調査は常用労働者10人以上を雇用する民営事業所のうち、無作為に抽出した約1万4000事業所を対象に実施した。

提供:建通新聞社