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2017/11/24

設計図書にCIMモデル 年度末に基準類

 国土交通省は、2017年度末に設計図書にCIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)モデルを活用するための基準類を整備する。「土木工事数量算出要領(案)」を改定し、CIMモデルを活用した数量算出・数量確認の方法を明確化。土工や橋梁を対象にCIMモデルの表記標準案もつくる。設計段階で作成したCIMモデルを発注段階で活用し、施工段階に流通できる環境を整える。
 直轄の試行業務で作成されたCIMモデルは、設計成果を可視化し、住民との合意形成や受発注者の打ち合わせなどに活用されている。施工者には参考資料として提供されており、試行業務の設計成果をを施工段階で活用するケースは現時点では少ない。
 国交省は、11月21日に開いたCIM導入推進委員会の「ガイドライン・要領基準改定ワーキンググループ」で、数量算出や属性情報の表記に基準を設けることを説明。契約時の設計図書にCIMモデルを活用できれば、契約後に施工者までCIMモデルが流通するようになり、施工者が3次元モデルを自前で作成する手間がなくなる。
 現在の土木工事数量算出要領(案)でもCIMモデルの活用を認めているが、具体的な数量の算出方法や確認方法を定めていない。CIMモデルでの数量算出に必要な属性情報を明らかにするとともに、CIMモデルと2次元図面で数量を算出した際に生じる誤差と原因を検証し、数量の確認方法を明確にする。
 18年度以降には、CIMモデルを使った数量算出に合わせ、積算基準の見直しも検討する。
 設計図書への活用に必要な、CIMモデルに表記する寸法・注記・注釈の表現方法も統一する。まず、17年度末までに橋梁上部工(鋼橋、PC橋)・下部工と土工で表記標準をまとめ、河川(河川堤防、河川構造物)やダムでも検討に着手する。
 同省はいずれの基準も18年1月中旬までに素案をまとめ、ゼネコンやCADベンダーなどに意見を聞く。関係者の意見を踏まえ、同年3月末までに基準をまとめる。

提供:建通新聞社