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2018/03/12

所有者不明土地特措法案を閣議決定

 政府は3月9日、「所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法案」を閣議決定した。所有者の所在を不動産登記簿で把握できない所有者不明土地問題の解消に向け、公共事業用地の収用手続きの簡素化により所有権を取得しやすくする他、所有者不明土地に利用権を設けて広場・公園などに活用する「地域福利増進事業」を創設する。
 人口減少・高齢化が進み、土地の所有意識が希薄化したことで、不動産登記簿などで調査しても所有者が判明しない所有者不明土地が全国的に増加している。今後、高齢化がさらに進み、相続の機会が増えると、所有者不明土地はさらに増加することが懸念される。
 所有者不明土地は、公共事業の用地取得でも支障となるケースが増えている。直轄事業では、所有者不明を理由に用地取得が進まないケースが10年前の2倍に増加しているという。
 特措法では、所有者不明土地を公共事業用地として利用する場合、反対する権利者がいないことを条件に収用手続きを簡素化。収用委員会の審理手続きを省略し、権利取得裁決・明渡裁決を都道府県知事が行えるようにする。
 都道府県知事が公益性を確認した場合に最長10年の利用権を設定する「地域福利増進事業」も創設する。広場や工事用仮設道路など公益性の高い事業での所有者不明土地の暫定利用を認める。
 特措法ではこの他、行政機関が土地所有者を探索する際に固定資産課税台帳や地籍調査票などを利用できる制度を創設。不動産登記法に特例を設け、登記官が相続登記が長期間されない土地を登記簿に記録できるようにする。

提供:建通新聞社