国土交通省は、受注者の技術提案と価格交渉で仕様・予定価格を確定する「技術提案・交渉方式」を中小規模の工事にも適用する。中小規模の工事に適用しやすいよう、入札手続きの期間の短縮や簡素化を図り、施工者独自の工法などを活用できる橋梁補修工事などでの積極的な採用を目指す。
2014年に改正した品確法に位置付けられた技術提案・交渉方式は、仕様を確定できない高度な技術力が必要な工事が対象。技術提案で選定した優先交渉権者と発注者が価格交渉を行った上で、仕様と予定価格を定めることが可能になる。
これまでに同方式を採用した直轄工事は5件。このうち、北陸地方整備局の「国道157号犀川大橋橋梁補修工事」は、契約額が1億5000万円に満たない、直轄工事では中小規模の工事だが、通常の設計業務では仕様の確定が困難であり、損傷などの不可視部分もあるとして同方式が採用された。
同省は、設計段階で施工者が関与する技術提案・交渉方式を採用すると、施工者の現場着手を容易にしたり、施工中の手戻りを防ぐ効果があるとみており、施工者の技術力を生かせる中小規模の工事で採用工事を増やしたい考え。採用工事で得られた成果を運用ガイドラインに反映し、さらに受発注者が適用しやすい方式へと改善する。
提供:建通新聞社