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2018/11/21

社会資本整備 「質の改善」継続すべき

 財政制度等審議会は11月20日、2019年度予算編成に関する建議をまとめ、麻生太郎財務相に提言した。社会資本整備については、「量」の拡大から「質」の改善を図る方針を継続すべきと明記。今夏の大規模災害の被害を踏まえた防災・減災対策では、地方自治体が進める優先度の高い事業を集中的に支援するため、防災・安全交付金を個別補助金に切り替え、重点的に支援することを求めた。
 建議の冒頭では「平成財政の総括」として、特例公債の発行額が27・6兆円(18年度予算ベース)に上り、将来世代への負担が先送りされていることを問題視。建設国債の発行についても「公共事業や施設整備の恩恵を享受する将来世代の人口は当時の想定よりはるかに少ない」と批判した。
 19年度当初予算における社会資本整備については「『量』をいたずらに拡大する状況にはなく、中長期的な『質』の改善を図るべき」との方針を継続すべきと指摘。長寿命化を図りつつ、既存ストックを最大限活用することを求めた。
 地方自治体への財政支援では、従来の交付金の一部を個別補助金に切り出すことを要請した。交付金は自治体の自由度が高く、創意工夫を生かせる反面、国の意図する計画的な事業の進捗が図られないデメリットがあることを問題視。防災・安全交付金を見直し、事業を特定して財政支援する個別の補助金を拡充、優先度の高い老朽化対策や防災・減災対策を重点的に支援するよう求めた。
 一方、i−Constructionで導入されたICT施工については、受注者側の投資に見合うよう、初期導入経費を上乗せする積算基準を採用している。国交省の調べでは、ICT土工を導入した現場では、従来施工と比べて平均で31・2%の工期短縮効果も確認している。
 建議では、ICT技術の導入によるこうした生産性向上の観点に加え、「建設・維持管理コストの縮減を実現することが重要」と指摘。投資コストを低減させるため、社会実装に必要な支援を効果的に行うよう求めた。

提供:建通新聞社