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中央ニュース

2019/11/25

工事成績評定見直し 維持修繕を加点評価

 国土交通省は、直轄工事の「請負工事成績評定要領」の運用を見直し、維持修繕工事の受注者を加点する新たな評価項目を設ける。維持修繕工事は、受注者の業務負担が重い上に、他工種と比べて工事成績の平均点も低く、受注意欲が低い傾向にある。成績評定に維持修繕工事の受注者を評価できる新たな項目を設け、評定点に1点を加点できるようにする。12月1日に入札公告する工事から適用する。
 評価対象は、直轄工事の競争参加資格「維持修繕工事」で発注する工事など。総括技術評価官(事務所長など)が評価できる項目に「維持修繕工事等規模に比して地元調整等に手間が掛かる工事」を追加し、維持修繕工事などの受注者に1点を加点できるようにした。
 直轄工事では、年間を通じて道路・河川の巡回・清掃・除草などを行う維持工事や、道路・河川の修繕や耐震補強などの修繕工事などを「維持修繕工事」の工種で発注する。年間の発注件数は全国で1984件(18年度実績)に上り、一般土木の発注実績(3603件)と比べても直轄工事全体に占めるシェアは大きい。
 ただ、特に維持工事では、採算性の低さを指摘する声がある他、技術者らが通年で待機を求められるなど企業負担も重い。このため、一般土木工事に比べると1者応札の発生率も高い傾向にある。
 工事成績評定も一般土木工事などと比べ低い傾向にある。維持修繕工事の工事成績は実際に、他工種の工事成績の平均と比べ0・6点低い。このため、成績評定が評価される優良工事表彰でも、維持修繕工事での受賞は他工種よりも少ないという。
 工事成績評定の見直しによって、維持修繕工事として発注された工事の受注者は工事成績に1点を加点されるようになる。年内にも入札手続きが始まる2020年度の維持工事などは、今回の見直しの対象とする。
 今回の工事成績評定要領の運用の見直しによって、地元調整などに手間が掛かる場合、他の工種も評価対象とするケースがあり得る。

提供:建通新聞社