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中央ニュース

2020/01/20

電気事業法改正へ 送配電設備への投資促進

 政府は1月16日、昨年秋の台風被害に関する検証チームの2回目の会合を開き、台風15号被害に対する対応策を中間報告としてまとめた。中間報告では、暴風による鉄塔・電柱の倒壊が長期の停電をもたらしたことを教訓として、送配電設備への投資(鉄塔の更新、無電柱化)を促進する託送料金制度の見直しに加え、電力会社と関係機関との「災害時連携計画」の制度化を図ると記載。これらの対応策を盛り込む電気事業法改正案を20日に開会する通常国会に提出するとした。
 昨年9月に発生した台風15号は、観測史上最大の風速や最大瞬間風速を観測する記録的な暴風をもたらし、鉄塔・電柱の倒壊、電線の支障が多数発生し、千葉県内を中心に最大93万4900戸の停電や大規模な通信障害が発生した。
 中間報告では、復旧作業に時間を要したことが停電の長期化を招いたことを踏まえ、電力会社に関係機関(地方自治体、自衛隊、通信事業者、建設業界)と災害時連携計画を共同で作成する義務を課すと記載。小売り電気事業者が一般送配電事業者に支払う託送料金を見直し、鉄塔の計画的な更新や無電柱化を加速する。
 一方、通信障害への対応策としては、自治体庁舎など、災害時の重要拠点をカバーする携帯基地局に設置された非常用電源を24時間対応とする。6月末までに関係する技術基準を見直す。
 災害復旧の迅速化を図るため、地方自治体と関係事業者の連携も強化する。防災基本計画の見直しにより、都道府県と市町村に建築関係団体との災害協定締結を求める。改正品確法の趣旨を踏まえ、随意契約を活用して速やかな災害応急対策を講じるよう、都道府県・市町村に求める。
 検証チームは、引き続き台風19号被害に対する対応策も検討し、19年度中にまとめる最終報告に盛り込む。

提供:建通新聞社