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2020/08/06

技術検定の不正受験 10月に再発防止策

 国土交通省は、必要な実務経験を満たさない技術検定の不正受験が相次いで発覚したことを受け、「技術検定不正受検防止対策検討会」を立ち上げ、8月4日に初会合を開いた。国交省はこの中で、企業が実務経験を適正に記録・管理したり、受験者・審査者が実務経験を確認できる仕組みを構築する必要性を指摘。不正申請を抑止する罰則や試験問題の見直しも含め、検討会が10月下旬に再発防止策を提言する。2021年度から適用する。
 会合の冒頭、青木由行不動産・建設経済局長=写真=は「複数の企業が不正に資格を取得する事態が起きたことは極めて遺憾」と述べた上で「技術検定に構造的な問題がないか、不正防止に新しい視点がないかという問題意識で、再発防止策を考えてほしい」と話した。
 技術検定は、最終学歴などに応じて実務経験年数を受験資格としており、受験申請時に所属企業と受験者が押印して実務経験を証明する。試験機関も受験申請から合格発表までの期間に実務経験の詳細まではチェックしていない。
 昨年12月の大和ハウス工業の社員357人の不正受験が発覚して以降、水道機工、西武建設・西武造園でも、本来は実務経験として認められない工事内容や実務経験の重複カウントにより、受験要件に満たない実務経験の技術者が施工管理技士資格を取得していたことが判明した。各企業ともに実務経験の要件を十分に認知せず、社員の実務経験を管理・記録する体制も不十分だったという。
 検討会の初会合で、国交省は受験者・証明者(所属企業)・審査者(試験機関)ごとに再発防止策を考える必要性を指摘。企業に対して社員の実務経験を適正に記録・管理することを求めたり、旧所属企業での実務経験を確認する方法を検討する。
 受験者が実務経験の複雑な算定方法を確認しやすい方法も考える。試験機関が実務経験を詳細に確認できるように効率的な審査事務や受験申請の方法も検討。不正申請を抑止するために罰則を設ける考えも示した。
 また、実務経験の少ない受験者でも、市販の対策本の模範解答で回答すれば、実地試験に合格する可能性があるとの問題意識も提示。現場での経験をより確認できる試験へと試験問題の見直しを検討するとした。

提供:建通新聞社