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2022/03/15

CCUS活用で経審加点 元請最大15点

 国土交通省は3月14日、中央建設業審議会の総会を開き、経営事項審査の改正案を示した。元請け企業が、建設キャリアアップシステム(CCUS)の活用でカードリーダーなどを建設現場に導入し、技能者の就業履歴の蓄積に取り組んでいれば、W評点で最大15点を加点する。ワーク・ライフ・バランス(WLB)に取り組んでいる企業も加点する。今後、必要な告示改正のパブリックコメントを経て、4月6日に改正公布。2023年1月の施行を目指す。
 今回の経審改正は、「担い手の育成・確保」「災害対応力の強化」「環境への配慮」に取り組む建設企業を経審の「社会性等(W点)」の評価項目で加点し、その努力を後押しする狙いがある。
 CCUS活用での元請けに対する加点措置は、担い手の育成・確保の一環となる。現行の「労働福祉の状況(W1)」に代わり新たに設ける「担い手の育成及び確保に関する取組状況(W1)」の中に位置付ける=表参照。
 元請けが過去1年間に施工した公共と民間の全ての建設現場で、CCUSの現場登録とカードリーダーの設置などにより、技能者の就業履歴の蓄積に取り組んでいれば15点(公共工事だけなら10点)を加点する。
 実績の有無は、誓約書の提出と抜き打ち調査で確認し、申請が虚偽と判明した場合、営業停止処分などのペナルティーを課す可能性がある。
 ワーク・ライフ・バランスの加点措置では、21年6月に策定した「女性活躍・男女共同参画の重点方針2021」で、公共調達でも女性活躍推進法などに基づく認定を受けた企業への加点評価をさらに推進するとされたことを踏まえ、「くるみん」「えるぼし」「ユースエール」の認定企業に最大5点を新たに加点する。加点は「くるみん」3点(プラチナくるみん4点)、「えるぼし」2〜4点(プラチナえるぼし5点)、「ユースエール」4点。複数の認定を受けている場合、点数を合計せず、最も高い評点とする。
 「災害対応力の強化」では、現在の加点対象機種(6機種)に、ロードローラーや振動ローラー、ブレーカ、解体用つかみ機、高所作業車など実際の災害対応で活躍している機種を加える。加点の配点は現行の最大15点のまま変更しない。
 ダンプについては、現行の経審で加点対象を最大積載量5d以上としているが、改正により、積載量によらず土砂の運搬が可能な全てのダンプを加点対象とする。
 「環境への配慮」では、脱炭素を含め環境問題への取り組みを適切に評価する観点から、新たに「エコアクション21」を加点対象に加える。加点は「ISO14001」が現行のまま5点、「エコアクション21」が3点となる。両方取得している場合、評点は合算せず5点を加える。
 今回の改正では、「社会性等(W点)」の素点の最高点が237点となり現行より20点アップする。このため、経営状況(Y点)や技術力(Z点)の評価が相対的に下がらないよう、W点の素点に乗じている係数も変更する。現行の「200分の1900(14・32%)」から「200分の1750(14・40%)」に引き上げることで、現行の経審総合評定値(P点)に占めるW点の評価ウエートを維持し、Y点、Z点とのバランスを保つ。

提供:建通新聞社