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中央ニュース

2022/06/09

倒産が一転増加 専門工事大幅増に

 5月の全国の企業倒産件数は517件となり、1年ぶりに前年同月比が増加した。コロナ関連の支援策などで倒産の抑制傾向が続いてきたが、ここにきて状況が変わりつつある。建設業では資材高騰や労務費の上昇といった影響もあり、内装工事など専門工事業での倒産が目立った。帝国データバンク(TDB)が集計した。
 倒産件数を業種別に見ると7業種中5業種で前年同月を上回った。建設業では建築資材の高騰や労務費の上昇で、特に内装工事など専門工事業で前年同月比57・1%増、55件と大幅に増加した。ゼネコンは前年同月と変わらず34件、設備工事業は1件増え16件だった。建設業全体では25%増の105件となった。
 地域別では北陸を除く8地域で前年同月より倒産件数が増加。北海道、東北、四国の3地域は倍増した。
 5月に倒産した建設関連企業の負債額は、住宅用建材卸のエスビーエス(千葉県)が12億円、元・土木建築工事の共生(旧・三浦建設)(千葉県)が10億円、内装工事のアイデポート(東京都)が8億7900万円となっている。
 今後の見通しについてTDBは、「コロナ禍の影響も残る中、急激な円安や原材料価格の高騰で中小企業の経営環境に閉塞(へいそく)感が漂っている。倒産増加の傾向が強まる」と分析する。

提供:建通新聞社