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中央ニュース

2022/06/28

建機の自動・自律化へ 共通の安全ルールを

 国土交通省は、2022年度中に建機の自動・自律施工のための「安全ルール」と「機械の機能要件」を固める。建機を現場で安全に稼働させるための共通ルールを整備し、23年度の現場実証に備える。6月24日の有識者や関係団体で組織する協議会で、安全ルールの骨子案と検討スケジュールを示した。
 建機の自動・自律施工は、大手ゼネコンや国土技術政策総合研究所など官民が連携して、実用化への研究・開発、建機動作の実証、現場試行を始めている。ただ、現状では現場の安全や建機の機能要件を定めた共通のルールは無い。施工するゼネコンがそれぞれ独自に安全対策項目を設定し、自主的に労働基準監督署へ届け出した上で自動・自律施工を実施している。
 24日の協議会で示した骨子案では、安全ルールの中で建機の運用のために順守すべき事項として、▽無人エリアの設定・運用▽現場の安全対策での役割分担―を明確にすることが必要とした。
 一方で、機械の機能要件については、建機が最低限備えておくべき機能として、▽遠隔で始動・停止できる▽必要な精度で建機を配置できる▽掘削、積み込みの作業効率を高める▽無人エリアから逸脱しない―などを設けることとした。
 国交省では、23年度に安全ルールを適用した自動・自律施工の現場実証を実施することとしており、本年度中に無人エリア設定の考え方を含めた安全ルールをまとめる。その中で、無人エリア内への立ち入り禁止を基本とした具体的な安全対策と、対策での受発注者の役割分担を明確に示す。併せて、現場検証要領案と現場検証実施方針案を固める。
 監督職員を含む現場関係者が共通して認識できる「安全ルール」と「機械の機能要件」をあらかじめ設定しておくことで、自動・自律施工の現場実証を円滑に進める。段階的に適用条件も拡大し、自動・自律建機の開発・普及の加速化、現場の生産性向上、働き方改革にもつなげる。

提供:建通新聞社