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中央ニュース

2023/03/03

技能者の時間外労働 元請から下請に指導を

国土交通省が3月1日に開いた「持続可能な建設業に向けた環境整備検討会」で、技能者の時間外労働の管理について、下請けに当事者意識を持つよう元請けが指導する必要性を指摘する意見が委員から出た。国交省は、議論の最終まとめへの反映を検討する。
 技能者の労働時間の管理は、労働基準法上、雇用主である下請けに責任がある。一方で建設業法では、下請けが法律に違反しないよう指導する義務を元請けに負わせている。こうした点を踏まえ委員らは、「元請けには、労働基準法上の責任はないが、元下という構造上の関係から、技能者の労働時間を適切に管理するよう、下請けに働き掛け、指導する責任が一定程度あるのではないか」との意見を寄せた。
 国交省の担当者は、「元請けには、建設工事が適正に行われることを全体として管理していく責任もある。そうした枠組みの中に、技能者の労働時間の管理を元請けが下請けを指導するという形で位置付けることも考えられる」との見方を示した。
 検討会では、有識者の意見を踏まえ、持続可能な建設業を実現するための方策を探っている。今回の会合では、技能者の時間外労働の管理の他、契約内容や施工体制を含めた建設生産プロセス全体の透明性を高める方策などについても意見が交わされた。最終の取りまとめは3月末になる。

提供:建通新聞社