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2023/04/11

技能実習制度、廃止へ 人材確保の制度新設

 政府の有識者会議は4月10日、技能実習制度を廃止し、人材の育成に加えて確保も目的とした新制度を創設するよう提案する中間報告書のたたき台を提示した。職種を特定技能の分野にそろえることや、外国人の転籍制限を緩和する方向性も示した。監理団体、登録支援機関は存続させる。建設分野でも多くの人材を受け入れてきた同制度が転換点を迎える。
 技能実習生を巡っては、外国人材の育成を通じた国際貢献という趣旨と、不足する人材の補填(ほてん)という実態の乖離(かいり)がこれまでも指摘されてきた。今回の中間報告案は、こうした乖離の解消を狙ったものと言える。今秋にも最終報告をまとめ、その上で国が制度の見直しを進めることになる。
 今後も人材育成という役割は維持するが、人材確保も目的に加える。特定技能制度への入り口という位置付けは維持する。このため、職種を特定技能の分野に一致させる方向を検討。外国人が得た技能を生かせるようなキャリアパスの構築を議論していく。
 技能を学ぶ人材を受け入れるという現行制度の趣旨から、外国人材が実習の場を変える「転籍」は原則として認められていない。これが、雇用主に対する技能実習生の立場を弱め、人権侵害の要因となっていることも中間報告案に記載。外国人保護の観点から、制限を従来より緩和する方向で検討する。
 監理団体や登録支援機関は存続した上で要件を厳格化。監理・支援能力を向上させる。外国人技能実習機構も存続させる。悪質な送出機関の排除も強化する。
 受け入れ見込み数の設定については、関係者の意見や客観的な根拠を踏まえた仕組みとする方向を提示した。
 外国人の日本語能力については、講習時間規定などがない現行制度を見直す。就労開始前に日本語能力を担保する方策や、来日後に段階的に日本語能力を高められる仕組みを設けるとした。

提供:建通新聞社