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2023/06/19

技能者の経歴証明 活用期間5年延長へ

 国土交通省は、建設キャリアアップシステム(CCUS)の能力評価で活用を認めている技能者の「経歴証明」について、活用できる期間を5年延長し2029年3月末までとした。「建設技能者の能力評価制度に関するガイドライン」を改定した。
 技能者の能力評価は原則、CCUSに蓄積されたデータで、客観的に把握できる就業年数や保有資格、班長・職長のマネジメント経験といった経歴を評価することとしている。一方で、CCUSに就業履歴を蓄積できる環境が整うまでの経過措置として、CCUSに蓄積のない技能者の経歴についても、所属事業者が技能者の経歴を証明するための経歴証明書を作成・提出することで認めている。
 経歴証明の活用は当初、24年3月末までとし、以降は、CCUSの蓄積データでのみ技能者の経歴を証明することとしていた。ただ、依然、過去の経歴も加味した、本来あるべきレベルの能力評価を受けていない登録技能者も多いことから、活用期間を延長。29年3月末までに能力評価を申請した場合は、経歴証明の活用を認めることとした=図参照。29年4月1日以降は、経歴証明の活用を一切認めない。
 CCUSは、登録技能者が120万人を超えたものの、うち能力評価を受けている者(レベル2〜4)は10万人にも満たない。CCUSに登録した技能者にはいったんレベル1のカードが配られる。このためレベル1の登録技能者の中には、十分な経歴があるにもかかわらず、申請時に経歴証明を活用しておらず、本来あるべきレベルのカードを取得していない者が相当数いるとされる。
 国交省の担当者は、「活用期間は5年延長するが、24年4月1日以降の技能者の経歴については、CCUSの就業履歴でしか証明できなくなることに変わりはない」ともし、注意喚起している。

提供:建通新聞社