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中央ニュース

2023/07/18

ICTプラットフォーム 8地整で試行へ

 国土交通省は、建設現場の監督・検査に用いるデータ(情報)を一括して格納する「ICTプラットフォーム(仮称)」のシステム構築に向けて、2023年度にプロトタイプの試行を拡大する。昨年度までに四国地方整備局でプロトタイプを試行してきたが、全8整備局に広げる。試行拡大で対象とするのは、ICTプラットフォームに収める情報のうちの「工程情報」。試行結果を踏まえ、24年度からシステムの開発に着手し、段階的な運用を目指す。
 試行は、整備局ごとに1プロジェクトで実施する。具体的には、同一のプロジェクトでの複数の工事案件(受注者)で、ICTプラットフォームを利用して、工程情報を確認・調整する。例えば、一つの橋梁プロジェクトで工区が細かく分かれている場合などに、各工区の工程情報をICTプラットフォームで確認・調整することで、週間工程会議の作業の効率化につなげる=イメージ図。
 8〜10月に東北、関東、近畿、中部の4整備局、10〜12月に北陸、四国、中国、九州の4整備局で取り組む。
 22年度に四国で試行したプロトタイプは、日本建設情報総合センター(JACIC)でシステムを作成した。試行拡大でも引き続き同システムの改良版を使う。
 国交省では、ICTプラットフォームに入れ込む情報を、工程情報、出来形・品質情報、図面情報、写真情報、書類決裁情報の五つに分類。うち工程情報の試行を先行している。工程情報以外の情報についても本年度から仕様検討などを進め、試行に入るとしている。
 ICTプラットフォームは、情報共有システム(ASP)、クラウドサービスなどの民間システムと、行政システムの間に設けるもの。受発注者間でデジタルデータの受け渡しができる協調領域となる。官民共有ストレージ、民間データへのリンク機能、認証基盤などの機能を有し、扱うデータは、工事帳票(打ち合わせ簿、出来高管理表など)やデジタルデータ(3D点群、BIM/CIM、360度カメラなど)を想定している。
 こうした建設現場の監督・検査に用いる情報・データは現在、民間各社(受注者)がそれぞれ施工管理ソフトを利用し作成・保有。必要に応じてASP、クラウドサービスに上げている。
 行政側(発注者)がこれらのデータを閲覧・取得したい場合、監督職員(検査官)が個々にASP、クラウドサービスに接続する必要がある。
 これらのデータを協調領域となるICTプラットフォームに一括集約(蓄積)することで、現場確認の効率化、品質向上の促進を図る。遠隔臨場や電子検査の場としての活用も視野に入れる。

提供:建通新聞社